• 2025/09/20
    スタッフブログ
    ・モテスマイル誕生秘話! なぜ今の診療スタイル、顔を専門とする矯正歯科医になったのか。 ・GoSMILE横浜を開院する理由!

 「あの一言が、すべてを変えた!」

——顔を変える矯正治療の旅が、あの時から始まった。


それは、まだ若く、情熱とちょっとした過信だけを武器に、矯正治療の現場に立っていた27歳のころ。歯科大学を卒業して3年目、ようやく「矯正が少しできるようになってきたかも」と思い始めた頃のことです。

ある日、院長室に呼ばれました。

「○○アナウンサーの矯正、あなたが担当医です。裏側矯正希望のようです。」——と。

えっ、あの日本テレビの看板アナウンサー、KSさん!?

初回の診察では、思わず診療チェアのスイッチを押し間違え、椅子がガガッと後ろに倒れて患者さんがびっくりしたのを今でも覚えています(ごめんなさい…)。

KSさんの治療は順調に進み、歯並びは見違えるほど整っていきました。

「いいぞ、自分でもやれる!」と手応えを感じていたある日、彼女がふと、診療室の静寂の中でこんなことを呟いたのです。

「先生…歯並びはキレイになったと思うんです。でも、顔立ちとか表情は変わったとは…思えないんです」

その声は小さかったけれど、私の心には雷のように響きました。

「えっ……そう…ですか?」と返す声が、妙に裏返ってしまったのを覚えています。

彼女は続けました。

「口元の感じとか、笑ったときの印象とか…もう少し良くできませんか?」

その瞬間、私は矯正歯科医という看板を自分の中で問い直さざるを得ませんでした。

技術的には合格点だったはずの治療。でも、彼女が感じたのは「まあ、満足かな」という微妙な手応え。

その「まあ」という言葉に、私は医療者としての自信を、そしてなにより誇りを深く突き崩されたのです。

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「足りなかったのは、顔そのものを診る視点だった」

それからというもの、私は診療のたびに自問し続けました。

なぜ歯が整っても、「美しさ」が生まれないのか。

なぜ噛み合わせが良くなっても、「自信」があふれてこないのか。

何かが…足りない。何かが…決定的に抜けている。

そして、ある夜——

カップラーメン片手に論文を読みあさっていた私は、ふと手を止めました。

「そうか……顔って、歯と骨だけじゃない!」

「歯とあごの骨ばかり考えているだけではダメ!じゃん」

「歯医者って歯のことばかり考えているだけかも?」

目からウロコでした。いや、もうウロコどころか、目玉まで落ちそうでした。

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顔は6層構造でできている。歯と骨だけじゃ足りないんだ。

顔というのは、皮膚、脂肪、筋膜(SMAS)、筋肉、骨膜、骨——という6つのレイヤーから成り立っています。

今まで私は、そのうちの“骨”と“歯”という硬組織だけに注目していた。歯学部でも学ぶのは歯のことばかり。でも、それだけじゃ、人の印象や美しさは語れない。

本当の「表情」や「顔立ち」を生み出すのは、筋肉や脂肪、そして皮膚などの軟組織の働き+バランスの良い骨格だったのです。

顔の筋肉(表情筋)は、約30種類。

皮膚に直接くっついていて、まるで糸で操られる操り人形のように、繊細な感情を作り出しています。

さらに「リガメント(靭帯)」という、皮膚や筋肉を骨に固定する構造があることを知ったときには、ちょっと感動して鳥肌が立ちました(そしてその直後にコーヒーをこぼして、白衣がシミだらけになったのもまた、苦い思い出です)。

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世界へ。矯正の枠を超えて、美容医学の海に飛び込んだ。

このままではダメだ。そう確信した私は、すぐに動き出しました。

歯科矯正学だけでは到達できない顔の理想形を目指し、美容医療・形成外科・審美歯科の門を叩きました。

国内では足りないと感じ、欧米各国の学会・研修コースへも足を運びました。

異国の地で聞いた講義の中には、まるで魔法のような理論もありました。

「顔の形は、基本は骨格で決まるが筋肉の使い方でも変わる」

「脂肪パッドの位置が若々しさを決める」

「この部分のリガメントは、、、、、」

もはや、矯正歯科医というより顔の構造マニアになりつつありました。

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そしてたどり着いた「スマイルコンセプト」。

2000年、私は「スマイルコンセプト」という名の矯正専門医院を開院しました。

ただ歯を並べるだけでなく、顔の印象まで設計するという、新しい美のアプローチを25年間模索続けました。

たくさんの素晴らしい患者様に恵まれ、頼もしいスタッフと共に走り抜けました。

そして今、「GoSmile横浜」へ。

その志を継ぎ、さらに進化させるために、2025年「GoSmile横浜」を開院いたします。

☆☆コラム終わり